こころの窓を開け放ちそよ風を入れることを知って、練習を積んできました。
いつも間にか、少しずつ身についてきたようで、このところ、イライラしたり、悲しくなったり、不機嫌になることが全くと言っていいほどなくなってきました。
今日は、昨夜の出来事をブログに記しておきたいと思います。
昨夜は、夫の大学時代の同級生、坂元の黒酢の社長の坂元さんが出張で来られ、近所のジャズクラブに行くことになりました。
粋な女性シンガーの歌を楽しんでいたら、隣の席に座ろうとした女性が、夫のワイングラスを倒してしまいました。
ワインは、テーブルクロスを濡らし、夫の背広、ズボン、傘まで赤く染めて行きます。
彼女は、ちらっと目を走らせたのに、謝りもせず、まるで何事もなかったかのように、無表情で座り続けます。
しばらくたっても何もない彼女に向かって、ついに夫が「ちょっと〜!!」と大きめな日本語で独り言。
あれ?気がついていないの?と思った私は、彼女にExcuse meと言ったのですが、反応なし。
お店の人が何人も来てくれて、拭いてくれたりして、ちょっとした騒ぎになりました。
夫は席を立ったまま、なかなか帰って来ません。
石のような表情でビールを飲み続ける彼女と、やはり目をそらしている相方の男性を見ているうちに、
きっと彼女の頭の中は、「テーブルの幅が狭いからお店が悪い」とか「ワインを端に置いたあの日本人が悪い」「○○のせいで、急がされたから」とか、<私は悪くない>コールで一杯なんだろうな〜と思えてきました。
せっかくの夜(たぶんデ-ト?)なのに会話もなく、私は悪くないとアピールし続ける彼女。
かたくななまでの態度を見ているうちに、ハッと気が付きました。
この人には良心がある!
ちゃんと、良心の呵責があるんだ。
自分が悪いことを知っているから、楽しめないんだ・・・・
本当に自分のせいじゃなければ、気にせず、堂々と楽しめるはずです。
その瞬間、私はハートを全開にして、「大丈夫。怒っていないよ。どうぞ、一緒に楽しみましょう」というメッセージを送り続けました。
「お店からの気持ち」で、運ばれてきたもう1本のワインを、
もういいじゃないの。ほらほら、おかげでワインが来たよ!ラッキ〜。さあ、一緒に飲みましょう!
そんなことを言っている自分を想像してクスリと笑いながら、音楽も食事も楽しんでいる私がいました。
そんな私につられたのか、夫も機嫌を直し、楽しんでいる様子。
坂元さんは、もともとおおらかな人なので、全然OKです。
私は、会計を済ませて席を立つ時に夫に言いました。
「お父さん。もう、許してあげてね。一声かけてあげてね」と。
私自身も、まずは男の人に、「どうぞ気にしないで」と言って、肩をポンポンと叩きました。
おろおろと、謝る彼。
そして、女の人にも笑顔で、「大丈夫だから、どうぞ夜を楽しんで!」と言ってみました。
彼女は胸に手を当てて、「本当にごめんなさい」と言ってくれました。
(やっと、やっと言えたんだね)
夫も「もう大丈夫。ワインの香りのするディナーを楽しんだよ。素敵な夜を!」という、なんとも微妙なイギリスチックなジョークを笑顔で言いました。
その瞬間!
彼女のこぼれる様な美しい笑顔
「ごめんなさい」
許し、許される瞬間でした。
一般的にワインをこぼされた方は、被害者でしょう?
たとえ被害者だったとしても、心を開いて、加害者になってしまった人の良心にアクセスしたら、本当の気持ちが見えて来るんですね。
被害者は、こころの持ち方一つで、加害者よりもずっとずと幸せになれるんだとわかりました。
どんなことがあっても、自分が間違った、相手が間違えたと責め立てたり、自分の価値観でこころを固まらせてしまっていたら、窓はあきません。
苦しいだけです。
そよ風が入ってくれば、すべては解決するのですね!
写真は、ジャズクラブから戻って自宅でくつろぐ私たち。
夫の笑顔が晴れ晴れしていますネ〜
後は、ユニオンスクエア近くの家庭的なレストランの暖炉とツリーの写真。とても可愛かったので・・・