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コーチはクライアントの言葉から何を聴きとっているか

          コーチはクライアントの言葉から何を聴きとっているか

今日、黒川先生からメールをいただいきました。

私は、ちょうどおとといから黒川先生石倉先生の「世界級キャリアのつくり方」を読み返していたので、
ドキッとしました。

先生のメールを読んで、改めて、電話でのセッションのメリットを考える機会となったので、まとめてみたいと思います。

私は、何を聴いているのか。

◆まず、声のトーン。

声の高さや低さで、クライアントのモチベーションの状態を聴きとることが出来ます。
そして、声のスピード、大きさ、小ささ、固さや柔らかさ、間の長さなど、クライアントの話す調子で、その時の感情を聴きとります。

◆そして、会話の様子、使っている言葉。

その人のコミュニケーションのタイプや五感の優位感覚、強みや才能を聴きとります。

また、繰り返し出てくる言葉の中からキーワードを聴きとります。
このキーワードを拾って行くと、その人の価値観やニーズ、思い込みなども浮かび上がってくる。
クライアントの発する会話のなかから、希望、迷い、戸惑い、ギャップ、本音、不安、混乱、恐れなどといったの感情を聴きとり、
言語化して相手に返します。

例えば「〜不安なんですよね」という言葉が繰り返し出てきた場合や声の震えや声の小ささ(時には不安を隠そうとして力んでいたり強がったり、不自然な様子)から不安のメッセージを受け取った場合、それを聴き逃しません。
それは、クライアントが自ら言ったことや自らのメッセージをもっと深く追求してもらうため。

「不安って言葉を3回使いましたね。気がついていましたか?」
とか、
「いつもと違う声の様子から、何かを感じています。私には、何か恐れのような、不安のようなものが聴こえてくるのですが・・・」
など投げかけてみます。

「何がこわいのでしょう?」
「何をすると安心できるの?」
「今、そこに何があるの?」
「不安となったきっかけは?」

答えることで、不安の元が見えてくることもあります。
さらに、不安の形が見えれば、解決に向かって前にすすめることができます。

その他、接続詞の「だから」「でも」「だって」
語尾の「だと思うんだけど」「〜けどね・・」「ます!です!」
度々出てくる「わからない・・」「教えて欲しいんですけど・・」「仕方ないと思う」「無理」といった、
言葉や言葉の癖からも、その人の思考の傾向を聴きとっています。
物の見方が広いのか狭いのか、自責の人か他責の人か、納得しているか納得していないのか、などといったことも聴いています。

そのほか、その日の会話の構成(ストーリー)からも、今の状態もわかります。
エネルギーが集中しているのか、分散しているのか。
話が分散している場合は、まず、未完了や気がかりをなくすなどします。

話が混乱しているように聴こえた場合は、一緒に深呼吸をしていったん落ち着いてもらい、
何が言いたいのか、ひとつひとつ明確にして、整理して行くでしょう。

思考が同じところでぐるぐる回っている時は、それを伝え、今の自分を遠くところからみるといった戦略を取るかもしれません。

「どこに行きたいの?」
「何があるから行けないの?」
「何があれば行けるの?」
「それとも、もうちょっとぐるぐるしていたい?」

一緒に探索します。

言葉の意味を掘り下げることもします。

「あの人は厳しい人だから・・」

「厳しいってどういう意味?」

辞書には、厳重である。おごそかである。という意味のほか、激しく容赦ない、むごい。と書かれています。
でも、そこまでの意味で厳しいという言葉を使ったのではなく、「妥協しない」という意味で使ったのだと思いますが、時々意味の確認をしたり、なぜ、その言葉を選んだのを一緒にかんがえたりします。
これは、辞書魔の谷口コーチから教わったこと。

私の強みは聴覚。
視覚を使わない電話だからこそ、クライアントの話しに集中でき、言葉以外のものの多くを聴きとることができます。
セッションの時の私は、目をつぶって全身を受信体にして深く聴き、その言葉を正確に書き留めています。
そして、真意は何なのか、相手は何を変えたいと思っているのかを集中して聴いています。
クライアントの真実を探り、
クライアント自身が自分の才能や可能性を認識してもらうために、
自ら語った言葉からの学びを深めるために、
同時進行で、このセッションを有効にするための戦略をいくつか立てながら進めています。

相手の話を本当に聴くためには、私自身がバランスのとれた穏やかであることが大切。
こころを打ち明け、率直に話してくれるクライアントとの時間を大切にし、感謝の気持ちを忘れない人でありたいと思っています。

ここまで書いてみて、クライアントとともに学び、成長できるコーチという職業をさせていただいていることに、
改めて大きな喜びを感じています。

黒川先生、ありがとうございます。

いただいた機会に感謝しています。