Riezm Academy

ゴボウのお陰

 ゴボウのお陰

アッパーウエストのグルメスーパー「シタレラ」での会話。

レジに並んでいたら、

「それは、何の野菜なの?」

と、私のト-トバックを指さす、後ろの奥さま。

「ゴボウと言って日本の野菜よ」

「どうやって食べるの?」

「ソテーして、醤油や砂糖、お酒で味をつけたり・・・」

「それは、生で食べるの?」

と、今度は3人後ろの奥さま。

「いえ・・」

「ソテーするのよね」と、後ろの奥さまが教えます。

「どうやって食べるの?」と、前の奥さま。

「小さく切ったポークスライス、ニンジンや大根と一緒に炒めて、みそスープにしてもおいしいのよ。TON-JIRUと言います」

「ふ〜〜〜ん」前後、6人で頷きます。

「それは、どこで買えるんだい?」と、いきなりおじ様。

「50丁目よね」と教えたがりの後ろの奥さまが、またまた登場。

「いえいえ、41丁目のサンライズマーケット。ほら2ドルちょっとで買えるの。こんなに長いのよ〜」

かさばるからポキッと半分に折ったゴボウを伸ばして見せます。

「おおお〜〜〜〜!!!」

「なんて、長いのだろう!」

「こんなに土深く伸びるなんて、きっとパワーがあるに違いない」

「これはシーズン物ね」

あまりにも驚いてくれるので、匂いも嗅がせてあげました。

興味を持ってくれた人全員が、きちんと順番を待って匂いを嗅いで行きます。

なんだか可愛いらしいでしょう?

そして、「な〜〜〜るほど」と頷きます。

得意になった私は、「ソテーしたものをライスバーガーに挟むと美味しいんだから!」と鼻の穴をふくらませます。

「何というの?」

「KINPIRA Barger」

何度も繰り返して、名前を覚えようとする奥様方・・・

本当に可愛いのです。

「なんて素晴らしいのでしょう・・・」と言ってくれるのです。

「あの、その。ゴボウにこんなに興味を持ってもらえるなんてビックリだわ。後2,3本、皆さんの分も買ってきたらよかったわね〜」と言ったら、

「そうだ、そうだ」

「ブースを置いて、ここでレシピと一緒に試食販売したらいい」

「私がマネージャーに言ってあげる」

「食べて見たい!」

と、レジ待ちしながらやけに盛り上がるのでした。

 

そう言えば、以前も大根で同じようなことがありました。

私が大根をバスケットに入れたら、じ〜〜〜〜っと見ていたおばさんが、

「それは何?」って。

「大根の料理を作ってみたいから、教えてちょうだい」って、電話番号をくれたのはプエルトリコのおばさんでした。

覚えていてくれてるかな?

連絡しなくっちゃ〜

 

NYの人は、興味を持たら、気軽に話しかけてくれます。

見知らぬ人とも上手にコミュニケーションを楽しむことが出来るんですね。

レジ待ちの時間が幸せ色になったひと時でした。