Riezm Academy

ハリケーンが過ぎ去って

 

ハリケーンの通り過ぎた日の夕方、

 

風が気持ちいいよ〜

 

という夫の声に誘われて、家族3人でセントラルパークを散歩しました。

入ってすぐに、巨木が根こそぎ倒れています。

こんなにたくさんの木があるのに、

もっと年老いた木や、細い木もあるのに、なぜ、こんな立派な木が?

と、不思議に思って、近づいていたら・・・

 

あれ?根がない!!!

 

岩盤の上に根をはろうとしていたのでしょうか?

それでも、なんとか根がないまま成長したようですが、嵐の風には耐えることが出来なかったようです。

ついに木の寿命はつきてしまいました。

何だか、この木が不憫に見えて、私は言葉を失います。

でも、倒れた木は、その場でチップに再生!

有難いことなのですが、木の砕かれる音を聞いていると、

辛くなります。

根を張る。

根をしっかり張っていれば、長生きして、人生を楽しむことができますね!

大切さなことを自然から学びました。

セントラルパークの上空は、灰色の雲で覆われ、まだ嵐の跡が残っているようです。

 

そして昨日。

まだ、水かさが増し、枝がぷかぷか浮いているハドソンリバーの脇を通る電車に乗って、

私の大好きなヨガの小松先生のお宅へ伺いました。

 

窓から見える雄大な自然、沢山の本とお気に入りの食器、

ご主人のボブお手製の木のスプーンや陶芸作家の息子さんの作品に囲まれて、

温かく居心地の良い空間が、そこにはあります。

ちょうど出来上がったばかりのボブ手作りの山の木を削り、磨いて作った棚や、

先生自ら、金継ぎして再生したお皿も見せていただきました。

愛着を持って暮らすとは、こういうことなのだな・・と思いました。

 

そして、なによりも楽しみなのが先生のお料理!

ひとつひとつが、丁寧に大事に、そして食べる人のことを考えて作ってくださっています。

それが伝わって、お腹に沁み渡ります。

楽しいお話し、とれたての野菜で作った体に優しい季節のお料理とワインで、

すっかりいい気持になってしまいました。

 

帰りの荷物は、かえって増えていました。

いただいた本と、先生のお庭でとれた蕗の梅煮、

とても良い香りのするお香や髪飾り、日本のお菓子・・・

 

いっぱいお土産をいただいて、幸せな鳩のようにお腹を膨らませて

電車に乗り込みます。

さあ、ここからマンハッタンまで50分。

夕方のハドソンリバーには、力強く輝く太陽が照っていました。

もう、すっかりハリケーンは去って行ったようです。