いまだかつて出会ったことのないタイプのピアニスト、ブレハッチ。
とてもナチュラルです。
控えめだからこそ、かえって惹きつけられるような、寄り添って親しくなりたいような・・・。
ぐぐぐ〜っと近寄っても怒られないような安心感があります。
ふと、思い出したのが、高校生の時、男子にモテモテだった女の子のこと。
自己顕示欲やエゴのようなものがなく、・・清楚で品があり、紀子さまみたいに控えめな女の子でした。
なんか雰囲気が似ているような気がする。
さて、演奏は、前から3列目の席に座り、ばっちり観察してきました。
彼は、細かいペダルとソフトペダルを上手に使い分けています。
バッハのイタリアンコンチェルトでも各所でペダルを使うんだな〜と感心しました。
ショパンもモーツアルトも「ブレハッチらしさ」を無理にアピールすることなく、作曲家の意図に沿った演奏です。
汗みどろになったり、オーバーアクションになったり、うっとりしたり、しかめっ面をすることなく、あくまでも暖かさを感じさせる自然な演奏です。
プログラムもこれでもかッ!という難曲は少なく、バッハの他、モーツアルトのソナタやショパンのマズルカなどでした。
大曲としては、シマノフスキーの変奏曲、ショパンのバラード3番、英雄ポロネーズなど。
アンコールもちっちゃな曲を2曲だけ。
きれいなまとまりのあるプログラムでした。
「なんか、今日は疲れなかった・・・」と夫の感想。
ふむ。納得。
こういうコンサートもいいよね♪
サイン会場にあわられた彼は、意外と小柄でした。
自分のあったスタイルの演奏活動を大切にしているんだな・・と思います。
これからも楽しみです。
まるで、彼に案内されて、花園を歩くような幸せに満ち溢れた2時間でした。