クリスマス前のユーロスターは、外気とトンネル内の温度差で完全停止してしまいました。
私たちが選択したフェーリーでフランス入りする計画は、結果的にロンドン⇔パリ、12時間半もかかってしまいました。
でも、行きつく所々で、ヨーロッパの人たちの穏やかに長時間待つ姿を見て感心しました。
大人も子供も、悪態もつかず、騒ぎもせず、イライラしないでひたすら待てるのです。
知らない駅で、突然電車が停まってしまい全員降ろされてしまっても、放送が入るまで、駅のロビーでひたすら静かに待ち続ける人たち・・・
私たちはバスで向かうことを選択したメンバーと一緒にじっと静かに待ちます。
やっと来たバスに延々乗り、降ろされた所も、やはり知らない駅。
そこでも、フェリー行きのバスが来るのを信じてみんな静かに待ち続けます。
中には、フェリー乗り場まで雪道30分を歩くことを選択した乗客も!
フェリー乗り場は、フランスに上陸しようとする人たちでごった返していました。
そんな光景をテレビクルーが撮影しています。
なんと、コンピューターまでもが、アクセスが殺到して機能が停止してしまいました。
チェックインが大幅に遅れることをスタッフが伝えます。
・・・一瞬どよめきましたが、拳を振り上げる人も怒号をあげる人もいません。
そのまま、穏やかに待つのです。
だた、どこの列に並んでいてもちゃっかり横入りする人たちはいます。
そんな時、ヨーロッパの人たちは、気にせず見逃すか、静かに「私たち並んでいるんですよ」と諭すかのどちらかです。
・・・言われた方は、気まり悪そうに列の後ろにつきます。
フェリーを降りてバスが来るのを延々と待つ間も、小さな4人兄弟や、わんぱくそうな兄弟も、大きなベビーカーと大荷物を持った若夫婦も、誰も文句を言わずに静かに長時間待っています。
確かに、文句を言ってもはじまらない。
イライラして周りにあたり散らしても、自分が嫌な気持ちになるだけです。
ヨーロッパの人たちは、大人だと思いました。
そんな大人の人たちの中にいたせいでしょうか。
どうなるか分からない状況だって楽しめる。
選択した事とその結果も自分の責任だと思えば、心穏やかに山を登りきることが出来ることを発見しました。
今回の旅で、私も少しは大人になれたような気がしています。