Riezm Academy

ハルカからの電話

「おか〜さ〜ん。。。」
久しぶりに電話がかかってきました。
こんなに電話がないのは、相当テストで苦戦しているのだろうと夫と話していた矢先です。

やっぱり声に元気がありません。

「あれ、あれ、どうした?」  (テスト、悪かったんでしょう?と言いたい所ぐっと我慢します)

「もう、最低の点とっちゃったよ」  

「そう。なの?」  (やっぱり〜根掘り葉掘り聞きたい所をぐっと耐える)

「怠けていないし、ちゃんとやってるのになんかずれちゃってるんだ」

「そう。ハルカの事だもの。やってると思うよ」 (どんなやり方なの?要領よくやってんの?と言いたい所ぐっと我慢)

「先生にも何回も聞きに言ったし、先輩にも教えてもらったし、小さなテストではいい点とれてるのに大きなテストでは。。。。ハァ〜〜〜〜もう、死にたいって思っちゃったよ」
(何点だったの?とそろそろ聞きだしたい所、ぐっと我慢)

「取れると思ってたんだ。。。
もう、気がついたら、真っ暗な部屋で電気もつけず、テキストびりびりにやぶってた・・・バカだな〜って笑っちゃった!ちゃんと、貼り直したけど」

「本当だ。バカだねェ〜ハルカは!」(明るく笑う)

「で、どうしたいの?」

「せめて、春からは仕切りなおして頑張るんだ!後、5日は流して。もう駄目だから」(あきらめては駄目!とは言わず、耐える。)

「なるほどね。何か、新しいやり方を取り入れるとしたら何かある?」

「う〜〜〜〜ん。う〜〜〜〜〜ん。(一生懸命考えています。←ここが大切)
このテストでいい点がとれなかったら、行きたい大学に行けるチャンスを失うって思えば、もっと頑張れるかも。
そういえば、イェールに行った先輩は1つのテストでも思った点数が取れなかったらクレージーになっていたって先生が言ってたもん。
そこまで自分を追い込むってことしてなかったな」

「そうか。先輩を見習うんだね!」

「うん!春休みは勉強しに帰るからテキストいっぱい持って帰るよ。よろしく!」

「声が明るくなったね!すっきりした?」

「すご〜く、すっきり」

・・・・私に出来ることは、勉強を教えることではありません。
遠く離れて1人で、頑張っているハルカを精神的に支えるだけ。
以前の私だったら、ピントはずれのアドバイス、叱咤激励をしていたでしょう。
そんな点取ったら、日本に帰すよ!など、自分の感情をぶつけていたかもしれません。
でも、今はもっと長い目で見て、自分で責任を持って判断し、行動してもらいたいと願って、だただた聞き役に徹しています。
ぐっと我慢して、話を聞く。親も試練です。
これは、ゴルファーの宮里藍ちゃんのお父さんから学びました。
試合でボロボロだった藍ちゃん。
お父さんに電話で報告です。
藍ちゃん1人で話し続け、その間お父さんは「そう。そうなの」
ただ、それだけでした。
藍ちゃんは、話しながら自分で気持ちを整理して、勝手に立ち直っていたのでした。
その場面をテレビで見て以来、安心して話せる相手がいれば自分で立ち直れる事を知りました。
安心して、何でも話してくれるハルカを心から可愛い、愛おしいと思います。