ロンドン歌舞伎、市川海老蔵「義経千本桜」を見に行きました。
歌舞伎や文楽の雰囲気が好きで、帰国した時に、機会を見つけて足を運ぶようにしています。
美しい舞台、衣裳、ライブな鳴物・・・
芝居が始まる前からドキドキします。
ここロンドンでも観ることが出来る本幸せを噛みしめます。
話題の海老蔵、初めて見ました。
彼の眼力、表情、そのすべてをあらわす表現力。
狐のように身軽で、人間業とは思えないような身のこなしの軽さに驚きました。
まさに、歌舞伎役者の家に生まれた彼の才能が見事に開花したという感じです。
男盛りの華やかな演技が、本当に自然で、見ていても気持ちが良かったです。
ストーリーは、家来に化けた子狐の海老蔵の物語。
前半の海老蔵は、家来に扮し、凄みのある姿で登場します。
でも本当は静御前に託された鼓を慕って、家来の姿に化けていた子狐なのでした、
なぜなら、その鼓は、子狐の親狐の皮で出来たものだったのです。
笑いあり、涙ありの人情劇ですが、海老蔵の子狐が鼓に頬をすりよせる姿は、いじらしさ一杯で、切なくなりました。
あんな感じで奥様に甘えることもあるのかしらん。なんて、思ったりして・・・
下ぶくれで、女らしい静御前。
開演前に一服されていた所。
歌舞伎が始まったら、すぐにわかりました。
一点を見つめ、ドングリ眼で瞬きもせずに演奏する真剣な三味線、左側の方。
見事に女性に化けました・・美しく高い声の長唄、右側の方。
まだお若いのに、海外公演に抜擢されるほどの実力と才能をお持ちのお二人は、将来が楽しみです。
歌舞伎を堪能した後は、銀座あたりの白木のカウンターのある粋な小料理屋さんで一杯といきたいところだけど、ああ、ここはロンドン。
美味しいインド料理屋さんでコブラで一杯となりました。